1997.8.30   日本共産党阪南地区委員会
 古久保のぶお国政対策委員長が談話を発表


「周辺有事」を理由にした関西空港の
“米軍への提供”に反対する


1、防衛庁は、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」見直しに関連して、「周辺有事」の際、米軍に提供する可能性のある関西空港など民間空港・港湾十数箇所のリストを運輸省などに提供しているという重大な事実があきらかとなった。
 関西空港は、長年にわたる地元との協議をへて「公害のない空港」「地域との共存共栄」をめざす空港として運輸省のしめした「3点セット」にもとづき、その建設がすすめられたものである。当時一部にあった「軍事利用」の懸念は論外とされてきたように、今回の「米軍への提供」などという事態は、地域住民・自治体にとって思いもしなかった暴挙である。同時に、「3点セット」そのものを根本的に破壊するものといわねばならない。

2、いま地域では「地元との約束」に反する「陸上ルート」強行の策動をめぐって、運輸省に対し、「海上ルートの約束を守れ」の世論と運動が高まっている。しかし今回の「米軍への提供」は、はじめから「地元合意」は無論、憲法までも無視して、泉州住民・空港関係者に深刻かつ重大な事態をもたらすことになる。

@関西空港の米軍使用は、地域ぐるみで戦争に巻き込まれることとなり泉州住民をはじめ広く大阪府民の生命を危険にさらすものである。

A「米軍への提供」は、関西空港関運施設で働く人達を自動的に軍事協力のために動員し基本的人権への重大な侵害をもたらすことになる。

B民間航空機の飛行に制限が加わり、その安全が脅かされることになる。米軍機は「訓練」でも、各地で被害が伝えられる「超低空飛行」など、国内航空法がじゅうりんされており、ましてや戦時ともなればそれがいっそう深刻となることはまちがいない。

3、「ガイドライン」の見直しと「有事立法」制定のうごきは、対象地域をアジア・太平洋地域に拡大すると同時に、「アメリカ有事」の海外軍事行動にわが国をまきこむことになる。今回明らかとなった関西空港をはじめ民間空港・港湾の米軍への提供の計画は、その危険な本質をあらためて鮮明にしている。
 米軍への関西空港提供の阻止に全力をあげるとともに、憲法の平和原則、地方自治、国民の基本的人権をじゅうりんする「ガイドライン」見直し、「有事立法」の策動に反対し、日本の平和と民主主義をまもるために全力をつくすものである。

                                                以 上