(しんぶん赤旗、2004年12月19日付け、1面)

関空2期工事を推進

財務・国交相 ムダな公共事業に固執

 関西国際空港に二本目の滑走路を造るムダ遣いの二期事業について谷垣禎一財務相と北側一雄国士交通相は十八日の二〇〇五年度予算編成の閣僚折衝で、○七年供用開始を目指して進めることで合意しました。国民には来年度予算案で定率減税の縮小などで負担増を押し付けながら、公共事業の浪費やばらまきを続ける小泉内閣の姿勢を示すものです。

 二期事業は総額一兆四千億円を超す巨大計画。合意したのは、四千億円をこえる施設関連整備費のうち滑走路など当面必要となる事業費を六百億円とし、うち○五年度予算に三百億円(国費二百億円)を計上します。

 関西空港は滑走路が一本の現状でも年間十六万回の発着能力にたいし十万回(〇三年度)しか利用されておらず、新たな滑走路をつくる必要性がないものです。

 来年度に神戸空港が開港すれば大阪空港と合わせて関西に三つの空港がひしめくことになり、財政制度等蕃議会も「供用開始には慎重であるべき」との建議を財務相に提出していました。

 これにたいし公明党から入閣した北側一雄国交相は就任会見(九月二十七日)で「〇七年に実現するよう取り組みたい」と表明していました。

 折衝では、予算計上にあたり財務省が求めていた三空港の役割明確化についても、〇八年度をめどに交通政策審議会(国交相の諮問機関)で結論を出すことにとどまり、二期工事先にありきの姿が鮮明になりました。