[しんぶん赤旗、2003年5月22日付けより]

別の暴力団関係企業から献金

松浪議員追及され認める
「秘書給与以外ない」の弁明から一転

政倫審

児玉議員追及

 二十一日の衆院政治倫理審査会で、暴力団との癒着問題に関する保守新党の松浪健四郎議員の弁明が行われました。日本共産党の児玉健次議員は、松浪議員が弁明で秘書給与の肩代わり間題以外の暴力団関係者との関与を否定したのに対し、新たな暴力団関係者からの献金の事実をつきつけました。松浪議員はこれを認め、謝罪しました。

 児玉氏は、暴力団幹部が事実上の経営者である大阪府阪南市の「三宝総業」から一九九九年〜二〇〇一年に計二十八万円の献金を受けた事実を指摘。「これで(冒頭にのべた)『本件以外に暴力団関係者と一切関係を持ったことはない』といえるのか」と追及しました。松浪議員は「報道で知らされ驚いている。そういう企業についての吟味を怠ってきたことにおわびしなければならない」と弁解しました。

 児玉氏は「承知していたとは重大だ。誠意をもって弁明するなら、『これ以外にない』とはいえないはずだ」と批判。松浪議員は「十分に確認していないので、これからしかるべき対応をする」と答えました。

 児玉氏は、九八年に提供された秘書給与を政治資金収支報告書に記載しなかった虚偽記載について「時効は五年であり、まだ成立していない」と指摘。「暴力団と深くかかわり秘書給与を肩代わりさた責任を国民に明らかにしようとするなら、直ちに議員辞職すぺきだ」と要求しました。
  (2、4面に関連記事)

<しんぶん赤旗、2003年5月22日付け1面>


暴力団との深いつながりまざまざ

議員辞職、参考人質疑を/松浪氏の弁明

志位委員長が感想

 日本共産党の志位和夫委員長は二十一日、国会内での記者会見で、松浪健四郎衆院議員(保守新党)が同日の衆院政治倫理審査会で行った弁明の感想を記者団に問われ、「松浪議員が、まさに暴力団との深いつながりの中で生きてきた政治家だということをまざまざと示した質疑になった」とのべ、改めて松浪議員の議員辞職を求めました。

 志位氏は、松浪議員が当選直後から暴力団関係企業から秘書給与の肩代わりを受けていたことを認め、その事実を知った後も関係を続けただけでなく、談合事件で指名手配された暴力団関係者に警察情報を流していたこと、さらに別の暴力団関係者からも政治献金を受け取っていたことが日本共産党の児玉健次議員の質問で明らかになったとのべ、「どれだけ暴力団との深いつながりがあるか、底知れない感じがする。即刻、議員を辞職することが唯一の道だ」と強調しました。

 与党が政倫審での弁明で幕引きをはかろうとしていることについて志位氏は「松浪議員の場合は、暴力団との関係という非常に深刻な問題を秘書給与の肩代わりという形で抱えていて、しかも本人が認めている。事実関係は明りょうで、これで一件落着ということにならないのは当たり前だ」と強調。議員辞職勧告決議案を衆院で議決し、予算委員会での参考人質疑を行うべきだとのべました。

<しんぶん赤旗、2003年5月22日付け2面>


松浪議員 即刻辞職こそ正しい道
尋常でない暴力団との関係

 二十一日の衆院政治倫理審査会で行った松浪健四郎議員(保守新党)の弁明と質疑は、同議員の政治活動と暴力団関係者との尋常ではないつながりを明らかにしました。

 焦点となったのは@暴力団組員(当時)が実質的に経営する会社から二百五十万円にのぼる私設秘書給与の提供を受けたAこの事実を政治資金収支報告書に記載しなかったB指名手配されていた同組員の依頼で大阪府警に問い合わせをし、情報を元組員に提供した−−の三点でした。松浪議員は基本的に事実関係をすべて認めました。反社会的集団である暴力団との関係をここまで認めた以上、議員を辞職する以外に道は残っていません。

秘書給与の提供

 松浪議員は、私設秘書給与を提供した元組員を「熱心な支援者」と説明、当初は暴力団関係者との認識がなかったと釈明しました。しかし、友人から「(この人物は)入れ墨があり、暴力団関係者であるらしい」と知らされた九七年十二月以後も、秘書給与の提供を受け続けています。この元組員が、松浪議員の有力後援会役員と「仕事仲間」だったともしており、釈明は不自然です。

 なぜ秘書給与の提供を強く断らなかったのかと、自民党議員からも「不自然だ」とする声があがりました。松浪議員は「選挙で応援してくれた人を前にして、そういう行動はとれない」とこの元組員をかばう姿勢さえ示しました。

規正法に違反

 政治資金収支報告書に記載しなかった理由については、元組員との「約束」をあげました。

 弁明によると、松浪議員は九八年四月、この元組員と面談。元組員は、松浪議員が持参した私設秘書の給与明細などをすべて焼却した上で、「秘書給与は返さなくていい。今までの話はなかったことにしよう」とのべたとしています。松浪議員は「(収支報告書に記載すれば)約束を破ることになり、その葛藤(かっとう)が大きな重荷になった」とのべました。

 政治資金規正法という法を守ることよりも元組員との「約束」を上に置く姿勢で、国会議員としての責務を投げ捨てていたことになります。

捜査状況の照会

 大阪府警に問い合わせた問題では、松浪議員は「捜査状況の照会というものではなかった」と釈明しました。

 しかし、九八年三月、わざわざ上京してきた元組員と渋谷・道玄坂の喫茶店で面談。指名手配中のこの組員から、「大阪府警の刑事から事情を聞きたいので協力してほしいと連絡を受けている」と相談を受け、刑事に電話しておくから、後で議員会館に電話してください」と返答したとしています。

 なぜ、わざわざ大阪府警に問い合わせまでしたか。松浪議員の釈明は「長時間(この人物と)同席するのはいやなので、なんとなく、(府警に)電話しておくからといって別れた」というもので、これも不自然です。

別の暴力団関係も

 そのうえ、審査会では、別の暴力団関係企業からの献金問題が指摘され、松浪議員の暴力団関係者との根深い関係がさらに明らかになりました。松浪議員は「本件以外に客観的事実としても暴力団関係者と一切関係をもったことはない」と明言しましたが、この弁明がその日のうちに崩れたことになります。

 松浪議員は、「反省しています」「だらしなかった」と繰り返しましたが、議員辞職については「さらに精進して、国民の負託にこたえたい」と拒否。「ネバーギブアップ」と開き直る姿勢さえみせました。

 暴力団関係者とのつながりを断ち切ることができず、ずるずると関係を深めていった松浪議員が、国会議員の職にとどまりつづけることはできません。      (小林俊哉記者)

<しんぶん赤旗、2003年5月22日付け2面>